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医療法人 成幸会 下松病院 医療法人 成幸会 下松病院
 
当院は、厚生労働大臣が定める基準に基づいて
診療を行っている保険医療機関です
下松病院で心臓リハビリテーションを開始いたしました

2022年5月に新しく心臓リハビリテーション室を開設しました。心臓リハビリテーション指導士の資格を持つ医師と理学療法士が各々の患者さんに合わせた運動プログラムのご提案を行います。

Q1.心臓リハビリテーションとはどのようなものですか?

心臓リハビリテーションは、あまり耳馴染みのない言葉かと思います。主に心臓病の患者さんが、体力を回復し自信を取り戻し、快適な家庭生活や社会生活に復帰するとともに、再発や再入院を防止することを目指して行う総合的活動プログラムのことです。内容として、運動療法と学習活動・生活指導・相談などを含みます。

Q2.心臓リハビリテーションの対象となる病気は何でしょうか?

保険適応となる疾患としては
  1. 心筋梗塞
  2. 狭心症
    カテーテル治療(ステント植込み術など)後も含まれます。
  3. 心臓手術後
    冠動脈バイパス術、弁膜症手術、心臓移植などが含まれます。
  4. 慢性心不全
    保険適応となる慢性心不全として、
    (1)左室駆出率40%以下
    (2)血液検査でBNP 80pg/ml以上または NT-proBNP 400pg/ml以上
    のいずれかの条件を満たすことが必要です。
  5. 大血管疾患(大動脈解離、解離性大動脈瘤、大血管手術後)
  6. 末梢動脈疾患
    足の動脈が動脈硬化で狭くなり、歩くと足が痛くなる病気です。
  7. 経カテーテル大動脈弁置換術後
    重症の大動脈弁狭窄症(大動脈弁が硬くなり十分に開かなくなる病気)に対して実施するカテーテル治療のことです。
となっています。適応となる病気を持っている方はリハビリを受けていただくことができます。

Q3.心臓リハビリテーションはいつまで継続すればよいのでしょうか?

入院で治療を受けた後に心臓リハビリテーションを開始されることが多いですが、これは退院すれば終了というものではなく、退院後も可能であれば通院でリハビリを継続する必要があります。当院では、回復期や維持期にあたる患者さんの心臓リハビリテーションを行います。
死亡率の低下や再入院の防止といった心臓リハビリテーションの良い効果は、退院後に外来リハビリを継続することによって得られる効果で、心臓・血管の病気を再発させないことや再入院しないことを最大の目標として運動療法を継続していただくことが重要です。
医師と患者さんだけでなく、専属の理学療法士や看護師とともに、患者さんそれぞれに合わせて継続しやすいプランを考えます。

Q4. 自分で自宅やスポーツジムで運動すれば、わざわざ心臓リハビリテーションのために通院する必要がないのでは?

心臓リハビリテーションとはスポーツジムで行う運動と異なり、運動のみを行うわけではありません。
医師や看護師、理学療法士、管理栄養士など多職種のスタッフが体調管理から薬や食事についてなど、包括的に患者さんの状態を把握し、生活指導を行います。
また、運動中のモニターによる不整脈の観察や心拍数・血圧の測定により、安全で効果的な運動療法が行えるように調整いたします。
専門の知識を持った医師やスタッフが、それぞれの患者さんの病気を理解した上で運動療法・生活指導などを総合的に提供している点が大きく異なります。

Q5.心臓リハビリテーションの効果はどのようなものでしょうか?

心臓リハビリテーションの効果はこれまでの研究によって多岐にわたり証明されています。
具体的には、心筋梗塞や狭心症の患者さんが心臓リハビリを行うことで、行わなかった場合に比べて、心血管病による死亡率が26%低下し、入院のリスクが18%低下したという結果が出ています。

その他、心臓リハビリテーションには以下のような効果があります。

  • 運動能力・体力の向上により、日常生活で心不全の症状(息切れなど)が軽くなる
  • 筋肉量が増えて楽に動けるようになり、心臓への負担が減る
  • 心臓の機能が良くなる
  • 血管が広がりやすくなり、身体の血液循環が良くなる
  • 動脈硬化が進みにくくなり、既にできている動脈硬化性プラーク(血管の壁の盛り上がり)が小さくなる
  • 血管が広がって高血圧が改善する
  • インスリンの効きが良くなって血糖値が改善する
  • 自律神経が安定して不整脈の予防になる
  • 運動を行うと仕事や家庭生活、社会生活の満足度が高くなる
(日本心臓リハビリテーション学会Hpより引用)

Q6.心臓リハビリテーションって実際どのようなことをするのでしょうか?

当院での心臓リハビリテーションでは筋力トレーニングと有酸素運動を中心に行います。
体重/血圧測定・心電図の準備
リハビリ開始前に、毎回体重/血圧を測ります。リハビリ中は心電図モニターを装着し、変化があればすぐに対応できるようにしています。
準備体操(ウォーミングアップ):10分
運動を行う前にウォーミングアップを行います。
筋力トレーニング:10分
準備体操で身体を慣らした後、重りやゴムバンドを使って筋肉に負荷をかけながら動かしていきます。
自転車エルゴメーターを使った有酸素運動:20分
各種検査の結果に基づき、患者さん各々に適した負荷量を設定して、自転車エルゴメーターを用いて運動を行います。
整理体操(クールダウン):5分
最後に動かした身体を整えて終了です。
※ご希望の方には定期通院や管理栄養士による栄養指導も実施可能です。
当院では患者さんがより良い生活を送れるように包括的にサポートしていきます。
心臓リハビリテーションに興味がある方で一度実際に話を聞いてみたい、以前から心臓の病気と言われているけど何をすれば良いか分からない方、ご相談からでも構いませんので一度是非受診ください。